警察官になりたい人にそっと教える元刑事のKちゃんのブログ

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転勤族の代表選手!意外と知られていない、警察官の異動事情

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みなさんの学生時代のクラスメイトには「お父さんが警察官」っていう方はいませんでしたか?

きっと、そんなクラスメイトは数年でどちらかへ転校していったはずです。

 

警察官といえば、誰もが知っていることのひとつとして『転勤族』であるという特徴があります。

 

たしかに筆者Kちゃんも幾度かの転勤を経験しました。

 

これから警察官を目指していきたいと考えている方の中にも「できれば地元で働きたいなぁ」と考えている方は多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回は「意外と知られていない、警察官の転勤事情」を紹介していきます。

 

今回みなさんにお伝えしたいこと!

  1. 基本、転勤は同じ都道府県内
  2. 転勤のペースは3年が目安
  3. 昇任したら確実に転勤
  4. 転勤費用はおいくら?

 

1  安心して!よその地方にはいきません!

 

警察官に対して文句を言っている人の中には

「国家公務員が…」

「国家権力を傘に…」

なんて言っている人がいますが、これは微妙なところで間違いがあります。

 

市中でみかける警察官は、基本的には都道府県に採用された地方公務員です。

立場としては、都道府県庁に勤めている人と同じなんですね。

 

ということは「国」の裁量ではなく「都道府県」の裁量によって動いているわけですから、たとえば東京警視庁で採用された警察官が、北海道警に異動するなんてことはありません。

 

一部、例外もあります。

 

まずは「出向」です。

地方の県警に採用されている場合は、東京・大阪などの大都市圏や、大規模災害地などで、現地警察官としての援助や研修のために「出向」という扱いで異動することがあります。

 

たとえば、こんな例があります。

 

・機動隊の成田出向

成田空港周辺の警備のために、地方警察から2年任期で出向する

・警視庁の研修出向

最新の捜査などを身につけるために、警視庁本部付けで1〜2年任期で出向する

 

出向する際は、それまでの都道府県警察官の地位を一度捨てることになります。

翌日付けで出向先に採用され、任期が満了するとまた解任されてもとの都道府県警察に採用されるわけです。

 

まぁ、このあたりは「手続き上のお話」ですね。

 

違うパターンとしては「キャリア組の異動」です。

通称「キャリア組」と呼ばれる人たちは、警察庁に入庁した時点ですでに警部補という係長職なんです。

 

 

彼らは都道府県に身を置いていても「国」の職員なので、異動は全国です。

 

1〜2年くらいですぐ都道府県警察からは姿を消してしまうのですが、彼らはやがて省庁で国を動かす仕事をする人たちです。

 

街のおまわりさんたちとは違ったかたちで市民を守る、ってことでしょうね。

 

2  だいたいは3年くらいで転勤しちゃいます

 

警察官はひとつところに留まって仕事をすることができない仕事です。

 

どんなに地元愛が強い方が「この街のために働き続けたい!」と警察官を目指したとしても、悲しいかな、異動は避けられないのです。

 

「なぜ?」と思う方が多いとは思いますが、これは公務員特有の『癒着』を防ぐため、というのがもっとも有力な説です。

 

実際のところ、理由はわかりません。

警察官に限らず、公務員には異動があるというのは、もうはるか昔からのシステムなので、源流をたどることなんて不可能でしょう。

 

ただ、細かい規定などではなくても慣習として

「3年くらいで異動」

というのがセオリーになっています。

 

実際、3年前に異動した元所属に顔を出してみても、当時の知った顔なんてほとんどいません。

 

「常に血を入れ替えないといけない仕事」なので、このあたりはみんな当然として受け入れているんですよね。

 

3  めでたく昇任=異動は確定!

 

警察官には『階級』というシステムがあります。

そして、年に一度、各階級の『昇任試験』がおこなわれます。

 

警察官の昇任試験は、一般企業のソレとはちょっと違います。

 

一般企業だと「えー、オレは出世なんて興味ないよ」とスルーすることも可能でしょう。

試験なんてそっちのけで、とにかく現場仕事が優先だ!とがむしゃらに頑張っていれば、そのうち「キミはこのステージにいちゃダメだ!」なんて勝手に昇任させてくれたりもする会社だって珍しくありません。

 

ところが!

警察官の昇任試験は『義務』です。

階級の停滞が許されることはありません。

 

毎年の昇任試験の時期が近づくと、課や所属を代表した選手のように扱われます。

試験の数日前から「仕事には出てこなくてもいい!」と強制的に年次休暇をさせられる始末。

 

ですから「いやぁ、今年もダメでした」なんて軽口は本気で許してくれませんよ。

 

そして、晴れて昇任試験に合格したら確実に待っているのが『昇任異動』です。

 

警察官は、階級が上がると「もうワンランク上のお仕事の修行」をするために、別の所属へと異動が確定します。

ごくまれに、そのままの所属で昇任する『居座り昇任』をする人もいますが、これは本当にレアケース。

 

実は私Kちゃんも一度だけ居座り昇任をしたことがありました。

理由は、とても大きな事件の証拠固めを2年もかけて1人で続けていたので、誰にも引き継がなかったからです。

そのかわり、Kちゃんが異動せずに課長がぶっ飛んでくれました。(本当にレアケース)

 

また、よその所属から異動してきたばかりの年に昇任試験に合格すると、やはり居座りをさせる傾向があります。

 

なぜかって、それは「警察官ひとりを異動させるためだけに、税金を使うから」です。

 

 

4.異動には『旅費』が支給される!

 

警察官が異動になると、当然にお引越しが伴います。

すると、いくら公務に従事している身とはいえ、そうちょくちょく引越しさせられていては、お金が足りません。

そこで、異動が決まった警察官には『赴任旅費』が支給されます。

 

さて、この赴任旅費。

いったいいくらもらえるのか?

 

赴任旅費の計算は、基本的には現住居から新住居までの距離によっておこなわれます。

また、単身赴任であれば加算とか、離島などのへき地であれば特別加算などがあり、一口には言えないものがあります。

さらに、各都道府県によっても基本額が違うので「いくら?」という疑問には答えがありません。

 

参考までに…ですが、実際にKちゃんが

  • 現住居から新住居までが約50km
  • 単身赴任
  • 離島などのへき地ではない

という異動をした際の赴任旅費は、15万円ほどでした。

たったこれだけの支給では、いくら単身赴任とはいえ、引越し屋さんも使えません…

 

だから、警察官の異動に伴う引越しは、各所属の同僚が全力サポートすることになります。

若手のうちは、3月末は休みなんてありませんよ。

毎回、お休みは異動していく先輩たちのお引越しと、新しく異動してくる先輩たちの受け入れでスケジュールはパンパンになります。

 

大変ではありますが、その分、自分が異動するときには新旧所属のみなさんがサポートしてくれるので、そのうち引越し慣れしちゃうんですけどね。

 

結論!警察官の転勤は大変!

 

1人の警察官が退職までに経験する異動の回数は、概ね15回程度だといわれています。

これが警部以上になるともっと増えるわけですから、家族のことを考えると「出世も考えもの」ですよね。

 

引越し費用も自腹を覚悟する部分が大きいし、3年周期で引越しをしているとマイホームの購入も難しくなります。

いざマイホームを購入しても「20年のうち住んだのは3年だけ」なんて人も珍しくありません。

 

警察官は仕事に慣れてからもなかなか大変なんですよ。